基本方針

アスパラントグループの投資期間において、投資先企業が持続的に発展するための基盤整備を行い、事業改善/成長に貢献することが、我々の使命であると考えております。
アスパラントグループの事業支援チームメンバーは、投資先企業の経営者をご支援するための技量や人間性を磨き、事業改善能力を身につけるべく努力しております。
しかし、実際に事業を一番よくご存じなのは、長年事業に携わる投資先企業の役職員の皆様に他ならず、投資先企業が抱える課題を解決するカギは現場にあると考えます。
アスパラントグループの事業支援チームメンバーは、行動規範に基づき、「投資先企業の役職員の皆様から謙虚に学び」、「誰よりも努力し、投資先企業の成長への貢献に創意を巡らせる」姿勢を決して忘れずに、役職員の皆様との対話を基礎として、投資先企業に貢献いたします

事業支援の枠組み

アスパラントグループは、投資期間を通じて、以下の4点を軸に投資先企業の事業改善/成長に取り組みます。

  1. 人(Team Building): 投資先企業の役職員との相互理解・合意形成
  2. 数字(Number): 重要指標の把握・可視化の仕組み構築・適時/高頻度のモニタリング
  3. 戦略(Strategy): フォーカスすべき戦略の明確化、投資先役職員との共通の目標設定
  4. 早期の成果実現(Quick Win): 投資先役職員との成功体験の共有

まず第1には、“人(Team Building)”です。投資先企業の役職員の皆様との信頼関係に基づくチームワークがその後の事業運営の基礎であり、最重要であると考えます。次は“数字(Number)”です。経営の意思決定の基本は数字であるからです。そして、この2つを前提とすることで、実効性のある“戦略(Strategy)”を策定及び実行することができると考えます。 これらの活動を推進するきっかけとすべく、投資先役職員と協働して、長期的な成功に加えて、“早期の成果実現(Quick win)”が可能な改善に取組みます。

関与体制

アスパラントグループの事業支援チームは、投資期間を通じて、投資先企業のサポートをいたします。

100日プラン

投資後、最初の3~6ヵ月間の期間で、投資先企業の役職員の皆様との対話をもとに、投資期間中の経営/モニタリングの基盤づくりと、皆様との共通の目標となる事業計画策定を行います。このスタート時の取組みを100日プランといいます。
100日プランの期間においては、アスパラントグループの事業支援チームメンバーは複数名常駐/半常駐し、その後の改善/成長のための基盤づくりを行います。

計画の実行及びモニタリング

100日プラン以降は、事業計画の実行及びモニタリングのフェーズになり、継続したコミュニケーションのもと、100日プランにより策定した事業計画の進捗状況を適時に確認し、計画達成に向け迅速に軌道修正を行っていきます。
100日プランの期間終了後の事業運営は、投資先企業の経営陣が継続するケース以外に、状況に応じ、社外より採用するケースやアスパラントグループメンバーがお引き受けするケースがあります。これらのケースや事業計画の進捗に応じて、事業支援チームメンバーの関与度は柔軟に対応していきます。

事業改善 /
成長支援の手法

アスパラントグループの事業改善/成長支援の手法は、大きく3段階に分類されます。
まず第1段階として、組織的/効率的な経営を行うための基礎となるインフラ整備を行います。次に第2段階として、選択と集中、生産性の改善、資金繰り改善等の合理化実施により収益性を向上させ、資金を確保します。そして第3段階では、確保した資金を設備投資や研究開発費として、持続的な成長のために投入します。
それぞれの主な内容をご紹介させていただきます。

第1段階 インフラ整備

「数字(Number)」に基づく意思決定・情報共有が効果的に機能する仕組みを構築します。

1. 計数管理体制構築

意思決定に必要な、適時/正確な計数集計/分析の仕組みづくり(システム導入を含む)を実施

2. 会議体の設計 / 運営

適時な情報共有、迅速な意思決定のための組織運営の仕組み構築/運用

3. 企業基盤の整備

主に以下の整備を実施

  • 事業運営の基礎となる経理・人事・総務機能の構築
  • 各種規程の見直し
  • 人材教育
  • 安全/品質の確保
  • 就業環境の改善/インセンティブの強化
  • ESG

第2段階 合理化

第1段階のインフラ整備にて実施した、詳細な財務情報/非財務情報の分析をもとに、成長のために収益性を向上し、資金を確保します。

1. 経営資源の再配分

成長分野、収益性の高い分野への優先的な経営リソース配分

2. 生産性改善
受注ロスの低減
  • 生産~納入のリードタイムの短縮(製造業)
  • 精緻な受注予測に基づく購買活動/生産コントロール(製造業)
  • 顧客の人材派遣ニーズと派遣スタッフのマッチング精度向上(人材派遣業)
コスト削減
  • 内製化率向上/繁閑に応じた部門間の可変的な人員配置による外注費削減(製造業/サービス業)
  • 仕入先の選別・集約/相見積もりの徹底による仕入コスト削減(製造業/サービス業)
  • 製造設備導入による作業の自動化/業務プロセス見直し・標準化/歩留まり改善による製造原価削減(製造業)
3. 価格戦略

数字の可視化および部門間の共有(典型的には製造部門と営業部門)により、原価に応じた適切な販売価格を設定し、収益性を向上

4. 資金繰り改善

主に以下の施策により資金を確保

  • 回収サイトの短縮化
  • 支払いサイトの長期化
  • 在庫削減(材料購入量コントロール、製造から出荷までのリードタイム短縮等)

第3段階 成長支援

第2段階の合理化により確保した資金を投入し、売上の拡大と持続的な成長を達成します。

1. 営業支援 / 販路拡大他
営業支援
  • 営業ツールの充実
  • 組織営業の強化(設計/技術/製造部門等、部門間の協力体制構築)
  • 営業管理の強化(数字に基づく行動管理、情報の共有化等)
販路拡大
  • アスパラントグループのネットワークによる顧客紹介
  • 投資先間の協業
  • 新規顧客/海外市場の開拓支援等
その他
  • メンテナンス/アフターサービスビジネス強化による安定収入の拡大、既存のリソースを生かした新規事業推進等、収益構造の転換支援
2. 研究開発 / 設備投資

ポテンシャルがありながら、成長のための研究開発、設備投資の資金/リソースが十分に供与されていなかった分野に、資金/リソースを振り向け、成長促進を支援

3. 追加買収

追加買収が会社の成長戦略の有効な一要素である場合には、ターゲット候補選定/アプローチ、交渉、買収実行、買収後の統合プロセスのサポートを実施